『ジューク・レコード』
福岡が誇る「めんたいロック」発祥の地。
何と言っても店長さんが「レコード・コレクターズ」なんかに評論書いていて、
とても敷居が高く、当時は怖い思い出しかありません。
ここでディープ・パープルを買うなんて、めっそうにもないという雰囲気で
(まずディープ・パープルのコーナーさえなかった)
見たこともない、聞いたこともないブルースやソウルのレコードだらけ。
大学4年間で黒人音楽にどっぷり浸り、
卒業する年にファイヴ・キース、クライド・マクファター、ジェネラル・ケインを買って、
ジューク・レコードの卒業生的な気分に浸りました。
今じゃ、気軽に話してくれて、姉妹店の「ジューク・ジョイント」で酔いちくれています。
『田口商店』
とにかく貧乏学生にありがたかったのが「田口商店」。
当時は地下鉄赤坂駅の上の高層ビル郡の谷間に
異空間のごとくレコードの山が積み重ねられた、
小汚い店(失礼)だったのですが、質が高く、とにかく安い!
フリッパーズ・ギターの二人が「田口商店、良いですね~」と言ってました。
歌謡曲ブームも来た頃で、筒美京平の再評価や和モノ・ブームもあって、
鈴木邦彦や川口真のシングル盤を焦りました。
100円程度で買えるシングル盤はレコード・コレクター初心者にとっては、
物が集まりやすいこともあり、楽しくて仕方がなかったです。
この安レコード漁りの終了後、
福岡ビルのおかわりができるカレー屋よって、
平和台球場の外野席でダイエー・ホークスの試合を見るのが定番コースでした。
年に一度無料でレコードがもらえる日があって、
朝から並んで、今では数千円で取引されてる山下達郎の「スペイシー」をタダで頂きました。
1000枚ほどレコードを買取してもらったこともありました。
『ボーダー・ライン』
福岡のロック・レコード屋の雄、ボーダーですが、
ここは大人になって、ダイエーに支店があった時、
ロックが大量に290円で販売されていて、お世話になりました。
ジョー・ウォルッシュとか、ナザレスとか、
おかげで、普段、聞く機会がなかった1970年代ロックの渋いとこを聞けました。
有線落ちでしょうか、ジャケットに文字が書き込まれていましたが、
何と言っても300円以下で1970年代ロック名盤を買える喜びはひとしおです。
ジャズが意外に安いイメージもあって、
ジャズ聴き始めのころ、クリフォード・ブラウンやMJQを安価で買った思い出があります。
『グルーヴィン』
大学卒業した後にできたのが、広島拠点の福岡支店。
ここはコレクターズ品が充実していて、
ジェイムス・ブラウンの全盛期のビデオを取り寄せて頂いたのが印象深いです。
一時、常連だった時、
1000枚のレコードを田口に買取してもらったと話したら、
店主が凄く残念がってました。
元店主は赤坂の地下にあるサブカル専門古本店「バンドワゴン」を経営しています。
それと次の店長はソフト・ロックやガール・ポップに強い店「パークス」を営んでいます。
その他赤坂には「ラッキーマウス」なるお店がありましたが、
最近、看板が無くなってました。
オールディーズ中心だったのですが、
ビジュアル系のレコードで近年は盛り上がっていたようです。
『チクロマーケット』
チクロはソフト・ロックやフリー・ソウル全盛に、
レトロな美容室と共にできた中古レコード屋でした。
福岡では初めての「渋谷系」的レコード屋で、
ワクワクした思い出があります。